2013年01月07日

特許庁新システム開発頓挫のニュースを見て思う

こういう話題はタイムリーに書かないといけないとは思いつつ・・・

一昨日の夕刊に出てて「あ〜あ・・・」と思ってたんですが、Yahoo!のトップにも載っていたこのニュース。
<特許庁>新システム開発頓挫 東芝子会社と契約打ち切りへ

昨年までシステムエンジニアとして働いていただけに、この記事だけでいろいろなことが読み取れてしまい、何とも言えない気持ちになりました。
この記事を見て、一般の方はたぶん「受注した会社が悪かったのか」という印象を受けると思いますが、私は全く違う感想を持っています。

何と言っても一番の問題は「3社による一般競争入札の結果、技術評価は最も低かったものの、予定価格の6割以下の費用を示した」この会社に落札させた特許庁側にあると思っています。特許庁のシステムは官公庁のシステムの中でも群を抜いて複雑らしいのですが、それを分かっているはずの特許庁がなぜ「技術評価は最も低かった」会社を選んだのか。その理由が、費用が安ければいいという安易な発想だけだったのなら、まさに「安物買いの銭失い」ですよね。

そして、「技術評価は最も低かった」のが分かっているのだったら、その会社を選んだ以上、その技術力の低さを補ってあげることが特許庁側にも出来たはずなんです。システムを開発する時には、まず最初に要件定義をしっかり固めることが大事なんですが、それはシステムを作る側だけでできるものではなく、依頼する側との綿密な擦り合わせが不可欠なんです。記事の中にも「同社が、特許庁の特殊な業務内容に精通していなかったことが響いたとみられる。」と書いてありましたが、僕にはどうも特許庁側が「今までの会社はこれで出来てたんだから、同じ感じでよろしく」というスタンスでいたんじゃないかと思えて仕方ないんです。

もう一つの問題はコンサル会社ですね。受注した会社よりも5億円も多くもらっておきながら、いったい何をやっていたのか。私もある役所相手のシステム開発の経験がありますが、その時にもコンサル会社が入っていました。規模には雲泥の差がありますが構図は同じだけに、このコンサル会社にも問題はなかったのか?と思ってしまいます。記事の中では社名すら出てないのもフェアじゃない気がしますし。

もちろん、この受注した会社にも問題はあったのでしょうけど、自分がシステムを作る側の人間だったのでどうしてもそちらの視点に立ってしまって、この会社だけが悪者になっているように見えてしまうこの記事にどうしても納得がいかなくなり、思わず書きなぐってしまいました。

それぞれの立場に立てば違う言い分があるでしょうから、あくまでも個人的な意見として聞き流していただければと思います。乱文、失礼いたしました。

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posted by gaichi at 23:13| Comment(2) | 日記